定期券は途中下車も乗車も自由?もし区間外で乗り降りしたら? | 定期券のFAQ

定期券は途中下車も乗車も自由?もし区間外で乗り降りしたら?

よくある質問

定期券は、定めた経路の区間内ならどこでも、間の駅で途中で降りるのも途中で乗るのも可能で、その回数にも制限がありません。通勤定期も通学定期も可能です。

区間外の駅で降りる場合や乗る場合は、その駅から定期券区間の最寄りの駅までの運賃が別にかかります。

鉄道会社は規則でどのように定めているのか、主要な鉄道会社が公開している約款(やっかん)と呼ぶ規則を元に解説します。

JR系鉄道会社の途中下車、乗車は?

JR東日本、JR西日本、JR東海などJR系鉄道会社は、定期券で定めた経路の区間内ならどこでも、途中で降りることも途中で乗ることも可能です。相互乗り入れをしている東京メトロ、小田急電鉄、相鉄も同じ取り扱いです。

途中下車ができない例は、

  1. 定期券に記載された経由路線以外の駅で下車する
  2. 乗車する駅に定期で入場し、駅構内の店を利用して同じ駅で出場する

となります。

なぜ途中下車できる?

たとえば切符での途中下車、途中乗車を考えてみましょう。

通常、使用できるのは一回のみで、支払った運賃で乗れる区間の途中で下車した場合(※)は、下車後に切符は無効になります。その先へは乗っていけません。
 ※JRは、片道100kmまでの切符の場合

しかし、定期券はその法則によりません。JR東日本の約款では、こう定めています。

第147条 乗車券類は、その券面表示事項に従って1回に限り使用することができる。・・・中略・・・。ただし、定期乗車券については、その使用回数を制限しない。

第148条 乗車券類は、次の各号に掲げる場合は、前条(注;147条)の規定にかかわらず、使用することができる。
(3)乗車券類の券面に表示された発着区間内の途中駅から乗車する場合

https://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/04_syo/01_setsu/index.html

つまり、定期券は何回使って=乗車・下車しても良く、また途中駅から乗車するときにも使ってもよいのです。

途中下車できないときは?

定期券に記載された経由路線以外の駅で下車することはできません。区間外の乗り降りとなり、別に運賃がかかります。

JR系鉄道会社は、同一の発駅、着駅へ行く経路が複数あることがあります。発駅と着駅が同一なら、どの経路を使っても切符運賃は同じです。

ところが、定期を購入する時には、自分が乗車する経路を決めて発券します。

そのため、経由路線以外の列車に乗って移動した場合、途中下車すると運賃がかかります。

次に、乗車する駅に定期で入場し、駅構内の店を利用して同じ駅で出場することはできません。

要は、定期券を入場券代わりに使えるだろう、と思うのですが、原則禁止されています。よって入場料が別にかかります。

もっと詳しく→ICカード定期券で改札内を通り抜けできる?各社の対応まとめ

関東大手私鉄の途中下車、途中乗車は?

関東大手私鉄の、東武鉄道、西武鉄道、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京急電鉄、相鉄、京成電鉄は、定期券で定めた経路の区間内ならどこでも、途中で降りることも途中で乗ることも可能です。相互乗り入れをしているJR東日本、東京メトロ、都営地下鉄も同じ取り扱いです。

途中下車ができない例は、

  1. 定期券に記載された経由路線以外の駅で下車する
  2. 乗車する駅に定期で入場し、駅構内の店を利用して同じ駅で出場する

となります。

なぜ途中下車できる?

一例として東急電鉄の約款では、こう定めています。

第156条 鉄道の旅客は旅行開始後、その所持する乗車券(定期乗車券を除く。)によって途中下車することができない。(★解説★裏を返すと、定期乗車券は途中下車できる
2 軌道に乗車した旅客(定期旅客を除く。)は、旅行開始後途中下車し再び列車に乗り継いで旅行することはできない(★解説★裏を返すと、定期旅客は途中下車し再び列車に乗れる

第147条 乗車券類は特に乗車人員または座席を記載したものを除き、1 券片をもって1 人が、1 回限り、その券面表示事項に従って使用する場合に限って有効とする。ただし、定期乗車券についてはその使用回数を制限しない。

https://www.tokyu.co.jp/railway/ticket/terms/pdf/eigyou_2022.pdf

つまり、定期券に限っては、途中下車も可能・途中乗車も自由、使用回数も制限がないのです。

途中下車できないときは?

定期券に記載された経由路線以外の駅で下車することはできません。下車すると定期区間外のため、別に運賃がかかります。

また、乗車する駅に定期で入場し、駅構内に滞在したのち同じ駅で出場することはできません。

JR系鉄道会社の項の説明をご確認ください。

関西大手私鉄途中下車、途中乗車は?

関西大手私鉄の、阪急電車、阪神電車、近鉄電車、京阪電車、南海電車は、定期券で定めた経路の区間内ならどこでも、途中で降りることも途中で乗ることも可能です。相互乗り入れをしている大阪メトロ、京都市営地下鉄も同じ取り扱いです。

途中下車ができない例は、

  1. 定期券に記載された経由路線以外の駅で下車する
  2. 乗車する駅に定期で入場し、駅構内の店を利用して同じ駅で出場する

となります。

なぜ途中下車できる?

一例として阪急電鉄の約款では、こう定めています。

第63条 乗車券は、乗車人員を記載したものを除き、原則として 1 券片をもって 1 人が、1回に限り、券面表示事項に従って使用できるものとする。ただし、定期券は使用回数を制限しない。

第65条 旅客は、旅行開始後次の各号の駅に下車して出場した後、再び列車に乗り継いで旅
行することができる。
(1) 定期券は、券面に表示された発着区間内の任意の駅
(券面に表示された経路内に限る)

https://www.hankyu.co.jp/pdf/ticket/traveler/01_ryoryaku.pdf

阪急電鉄の定めはわかりやすいです。定期券は使用回数に制限がなく、表示の発着区間内のどの駅でも途中下車、途中乗車が可能です。

その他の鉄道会社の例は省略します。いずれも、上記に挙げたような取り扱いで、定めた経由・路線の区間内なら途中下車も途中乗車も可能で、その回数にも制限がありません

定期券による途中下車・途中乗車は鉄道会社が認めた使い方です。大いに活用してください。

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