中学高校古文 定期テスト対策

古文対訳

原文・現代語訳の対比でサクサク読める・わかる

四知を恥づ - 十訓抄

 原文と現代語訳の対比図解
ある文にいはく、 ある書物にて言うことには、
趙柔といふ人、 趙柔という人が、
路にあふて、 道で出会って、

・あふ : 出会う(動詞四段活用)

人の残せるところの金珠、 誰かが置き忘れた金の珠を、
一つらぬきを得たり。 一連ぬきのまま手に入れた。
その値、 その値打ちは、
多くのきぬにあたれりといへども、 多くの絹に相当するほどであったが、
主を呼びて、 持ち主を呼んで、
返し取らせたりければ、 返してやったので、
人、 これを聞きて大きに敬ひけり。 人々はこれを聞いて大いに敬った。
またいはく、 また同じ書物にて言うことには、
漢の楊震、 漢の楊震が、
東莱の太守として、 東莱の太守として、
昌邑といふところを過ぎけるに、 昌邑とという土地を通りかかったとき、
その所の司、 その土地の役人が、
古意あるによりて、 昔なじみであることから、
金を忍びやかに震に与ふ。 金をひそかに楊震に贈った。
震がいはく、 楊震は言った。
「天も知り、 「天も知っており、
地も知れり。 地も知っている。
我も知り、 私も知っており、
人も知る」  あなたも知っている」 
と言ひて、 と言って、
つひに受けず。 ついに受け取らなかった。
「四知を恥づ」とはこれなり。 「四知を恥じる」とはこのことである。
おろかなるたぐひは、 愚かな人間は、

・おろかなり : 愚かだ(形容動詞ナリ活用)

人の見るばかりを憚りて、 他人が見ているときだけ気にして、
天のかがみ給ふことを恥ぢぬなり。 天がご覧になっていることを恥じないのである。